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泉美木蘭
2016.6.2 05:40

中国のネット金融すごすぎ・・・

中国では、都市部から農村部まで、借金ブームが起きているらしい。
個人投資家から融資を募り、スマホアプリを介して一般人に7%もの
利子で貸し付けるインターネット金融が、貸し手にも借り手にも大好評で
みるみるうちに中国全土で爆発的に広まったのだと。
着飾った20代の中国人美女が、アパレル店内でスマホを取り出し、
ぽちぽちと金額を入力して、たった10秒で2万円の借金に成功、
ATMから引き出して洋服を買うという映像が流れていた。
こわいなぁ・・・。

「親の世代は質素にしていたが、意味がわからない。
自分に投資しなければ、裕福な将来はない」

中国人らしいなぁ・・・。

泥の中を歩いて向かわなければならないような農村部の農民も、
まだまだ勉強中の大学生も、インターネット金融でバカスカ借金して
いるそうだ。返済不能となって、飛び降り自殺した大学生もいる。
こわいなぁ・・・。

しかも、中国国内に存在するインターネット金融のうち、
なんと4割は、詐欺や夜逃げや債務不履行などの大問題を起こし、
投資家に金が戻らない
状態なのだという。
4割だよ?

昨年は金融詐欺事件の被害総額が2兆9000億円。
2兆9000億円だよ?

日本の詐欺たちよ、オレオレテレフォンなんかでちんまりお年寄り
騙してないで、中国行ってくださいよ。

今年2月には、国営放送でテレビCMを流していたネット金融が
詐欺会社だったことが発覚、被害者は最低でも90万人、
被害総額は9200億円以上、中国最大の金融詐欺事件となり、
全財産を失った人がすさまじいデモを起こしていた。
日本の安保法制のデモなんかプチプチと踏みつぶされるような
壮絶なデモ映像だった。
こわいなぁ・・・。

その詐欺会社のCMも見たけど、
『誰でも、簡単に儲かります』みたいな直接的な詐欺セリフだった。
これで騙されるか??
こわいなぁ・・・。

こんな状態なのに、まだまだ借金ブームが起き続ける理由は、
「それでもまだ6割のインターネット金融が残っている」
「となりの人は大成功している、自分ができないわけがない」

中国人らしいなぁ・・・。

「となりの人は大成功している、自分ができないわけがない」
これは、以前、なぜ中国には偽ブランドコピーがここまで多いのか、
という問題について教えてくれた中国人も語っていたセリフだ。
「周りの人がどんどん大成功して金持ちになっていく。
やれば稼げる。ここで稼げなかったら、自分はバカだ。
ニセモノだろうが、あやうい金融商品だろうが、目の前にある
儲け話に乗らなければならない」

そんな焦燥感と、イケイケドンドンな高揚感に突き動かされていくのが
現代の中国人の深層心理なのだ、と。

昨年、撮影の仕事で上海から蘇州市へと行ったとき、
とてつもない量の高層ビルが建てられまくっていることに
まず度肝を抜かれた。
新宿のオフィス街も、ニューヨークの摩天楼も、大したことないと
感じるほどのとんでもない規模だ。
いくら中国13億人とはいえ、こんなに建てて大丈夫なのか・・・と、
まずそこが不安になった。
やはり、ほとんどは空き家のままの投資物件だと聞いた。
急激な不動産バブルで、130%、150%、200%と値上がり中らしい。
インターネット金融で金を借り、投資用にマンションを買って、
いつ売ろうか、まだ持っていようか、毎日スマホで値上がり状況を見て
にやにやしている庶民に毛の生えたような一般投資家が大勢いる。
はあ、こわい国やなぁ・・・。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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